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石田徹也さん[悲しみのキャンパス] [television]

昨夜、dada(夫)と何気なくテレビをつけてチャンネルを回していたら.......
こんな番組に出逢いました。




NHK教育テレビ【新日曜美術館】石田徹也 悲しみのキャンバス





↑は【飛べなくなった人】という作品。
昨年5月に31歳という若さで急逝した無名の画家、石田徹也さん。
その遺作展が今年の6月銀座で開催され、
各方面から注目を集めるようになったそうです。


我が家の古いテレビの画像からですら
魂の叫びが伝わってきて
チャンネルはそこでピタッと止まりました。







本物のこの絵を観に行きたいな。







久しぶりに純粋にそんな気持ちになりました。

葉を失ってから
現実でないものには興味が失せて
少し距離を置くようになっていました。

彼の絵は
決して美しい芸術的な絵画ではありません。
でも
ただの作り事ではなくて
ただの風刺画でもなくて
彼自身の魂が叫んでいるように感じたのです。


もしかしたら
誰もが持っている叫びの部分を
絵というわかりやすい形で表現しているからなのかもしれません。
イリュージョンの世界とリアルな世界と。
私が学生の頃から大好きだったシュールリアリズムのまさしく現代版。
だからドキッとするのかな。

作品ひとつひとつにも大変興味がありますが
番組の中で出てくる彼の素顔にとても心が動かされました。
描くことは本当に彼自身だったのだということが伝わってきます。




できれば
彼本人に逢って話を聞いてみたかった。






そして
葉にもこの絵を見せてみたかった。







葉はこの絵を見て何を感じたかな?







葉にはいろんなものを見せて体験させてあげたいと思っていました。
2歳でありながらも
絵を見て、いろんなことを感じ取っていた葉。
詳しくはここで。

小さい子は小さい子なりに
社会背景や本当の深い意味まではわからなくても
きっと何か直感で感じるものだと思います。
少し大きく成長していたはずの葉は何を感じたでしょう?









石田徹也さん。
こんな絵を描く人です。


画集も出ています。
出ていますが.......
いつか近い未来にまた展覧会が行われますように。



石田徹也遺作集

石田徹也遺作集

  • 作者: 石田 徹也
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 大型本


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miho-rin

小さい子供ほど 直感を働かせて 何かを感じるんじゃないかしら
自分自身は ちゃんと物事を感じて 読んでいるのかしら?
そんな風に感じる時はあります
なぜか この飛行機の写真は
目が とても哀しそうな遠い目をしてるように感じました
by miho-rin (2006-09-18 20:58) 

ちかあき

私は学生の頃(中学か高校)、教科書に載っていた1つの絵に
とても興味をもちました。
絵の題名も作者も忘れてしまったのですが・・・
絵の左側にこちらに背を向けた女の子が、1本の棒を持って
向こう側へ走っています。
棒の先にはフラフープのような輪があって、
この輪をころがしながら走ってるんだと思います。
女の子が走っていく先の建物のから影(人影?)が出ていた
記憶があります。
何を暗示しているのか、何を訴えたかったのか、
とても惹かれた不思議な絵でした。
石田徹也さんの絵も現代の何かを表現している絵なのだろうな・・
と思い、私もとても興味をもちました。
by ちかあき (2006-09-18 23:32) 

nako

★みほさん
この【飛べなくなった人】という絵は
作者が公園の古びた飛行機の遊具を見て
思いついた作品だそうです。
灰色の空の下、
飛べなくなった飛行機と一体化するスーツ姿の若い男性。
飛びたいけど、飛んでいけない。
そんな誰にでもある想い。
彼の絵には自画像であるらしい男性が登場してきます。
ほとんど哀しい目をしているかもしれません。
でもそれはみんな誰のの心の中にもある
表情なのかもしれない.......。

★ちかあきさん
De Chiricoの【通りの神秘と憂愁】ですね。
石田徹也さんの絵はまず衝撃的な構図が多いので
まずそれに目を奪われます。
直感で感じる衝撃。
そしてその作品の題名を聞くと
なるほど....とうなずけるものが多かったりします。

★akuraさん
★フィールさん
nice!ありがとうございます。
by nako (2006-09-19 09:25) 

ゆきむし

はじめまして。 私もほんとに偶然にこの番組を見ました。主人がチャンネルを回していたときに、映っていた絵に衝撃を受けてそのまま見入ってしまいました。 
何と言うか・・・あそこまで人間の深いところ、闇の部分を表現している作品は初めて見ました。
「回収」という作品は胸が押しつぶされそうになりました。
私も、是非展覧会が開かれて欲しいと思います。 生で、彼の世界を感じ取りたいです。
by ゆきむし (2006-09-19 11:38) 

nako

★ゆきむしさん
同じですね。
偶然あの番組をつけて偶然彼の作品に出逢った人、
かなり多くいらっしゃるみたいです。
見えないパワーですね。
「回収」は私は直視できませんでした。
死というものが身近すぎて.....。
by nako (2006-09-19 17:04) 

雪路

本日テレビにて彼の作品に出会いました。
チャンネルを変えてる時になにげなく見ていたのですが、
絵からはやるせない気持ちを感じて、
最後に映った飛べない人をみていたら、自然と涙がこぼれて
しまいました。子供の頃は大人の世界にただ不自然さと
疑問を抱いたりしていたけれど、いざ大人の世界に踏み込むと
見て見ぬふりをしてそつなくこなそうとしている部分も赤裸々に
見せられた気分もしました。生で是非彼の作品を見てみたい。
by 雪路 (2007-02-03 01:12) 

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