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インフルエンザ脳症研究班 [小さないのち]

葉はインフルエンザ脳症ではありませんでしたが
とても似たような症状の急性脳症で亡くなりました。
脳症は現在の医学をもってしても
発症、メカニズム、予防法とも未だに解決されていない病気です。

18日土曜日に聞いてきた市民公開フォーラム。
「インフルエンザと脳症」について
今日は主に「インフルエンザ脳症と研究班」について
お話ししてみようと思います。

インフルエンザと脳症が結びつき
非常に重要な病気であることがわかってきたのは
そんなに昔からではありません。
1994年12月北海道。
前の日まで全く元気だった子が突然高熱とけいれんを起こし
32時間の間に息を引き取った男の子がいたそうです。
しかし当時は
「地方病ではないか」
「ロシアからの伝染病ではないか」
「ライ病ではないか」
とまで言われ、
なかなかインフルエンザが原因であることを
認めてもらえなかったようです。
しかし、
アメリカでも153人が急死したという事実が報告されたことから
やっとこれが世界で起きている重い病気であると
次第に認識されるようになったのだそうです。

その後
1998年、大流行したインフルエンザによって急死した子どもが増えたため
1999年「厚生労働省インフルエンザ脳症研究班」が立ち上がりました。
2000年から2003年にかけて
・各地でインフルエンザ脳症の聞き取り調査を進め
インフルエンザ脳症の手引きが完成しました。
2004年から2005年にかけては
・世界での動向を調査
・遺伝子関与のゲノム調査
・リハビリ、グリーフィングケアの普及
そして
インフルエンザ脳症ガイドライン(1.4MB pdf)が昨年11月に完成しました。
これは
医師でさえ何もできないまま
救急で運ばれてきた子どもたちが
目の前で急死していく状況を何とかするために
制作されたものだそうです。

では
このインフルエンザ脳症はどんな病気なのでしょう?

インフルエンザの合併症の中でも最も重い症状といえます。

その特徴としては
インフルエンザウイルスの感染により急激に進行する脳障害
・ウイルスの脳への感染はないので脳炎ではなく脳症であること
5歳以下の子どもが多くかかる病気であり
・いったん高熱が出ると24時間以内の発症
死亡率30%後遺症26%
・A香港型が流行するときに多く発症

症状としては
意識障害
けいれん
熱せん妄(幻覚・幻聴)
こういった症状が出てきたら要注意です。

また、
メカニズムがわかっていないと言いましたが
多少わかってきていることもあるようです。

インフルエンザに感染すると

全身の諸臓器を破壊するサイトカインストームというものが作られるようです。
また
血管内細胞が破壊され
脳と血液の関門が破壊されて脳が腫れる脳浮腫を起こします。

これによって全身の多機能不全に陥ります。

また、
インフルエンザには使ってはいけない解熱剤があることもわかってきました。
現在では使用禁止されているお薬なのであまり心配はないようですが
お兄ちゃんやお姉ちゃんの昔のお薬を持っている方は
気をつけた方がいいようです。
もしこんなお薬であれば誤飲しないように廃棄してください。
非ステロイド系消炎剤のジクロフェナクナトリウム
(商品名・ボルタレン、アデフロニック、イリナトロンなど)
非ステロイド系消炎剤のメフェナム酸
(商品名ポンタールなど)

明日はこの研究班が発表した内容をもう少し詳しくお話しします。


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yuki

インフルエンザ脳症の手引きを読みました
いざというときに慌てないように・・・
といっても動揺してしまうでしょうが
知識だけでも 持っていたいと思いまして・・・
去年はインフルエンザが恐くて外出を全く控えていましたが
結局パパが感染→娘に感染となってしまいました
B型だったため A型に比べると比較的症状は軽かったようです
でも パパは早く病院に行きすぎて 判定キットが陰性だったから
タミフルを処方してもらえず 苦しんでましたが
娘は念のため検査をしてもらったらインフルエンザだったんです
手洗いうがいは徹底してやってるのですが
残念ながらかかるときはかかっていまうのですね・・・
by yuki (2006-02-21 04:14) 

kobekko

小学生以来、インフルエンザにはかかってないのですが、
やっぱり予防接種はしたほうがよいのでしょうね・・・
by kobekko (2006-02-21 09:42) 

nako

最近、いろいろあって
自分の記事アップと
コメントを書くことで精一杯になってしまっています。
少し落ち着きましたら皆さんのところにも遊びに伺いますので
どうかお許し下さいね。
by nako (2006-02-21 11:11) 

nako

★yukiさん
そうなんです。
私もまだ小さかったためうがいは無理でしたが
息子には手洗いだけはさせていたつもりなのです。
でもウイルスはどこからか侵入してくるものなんですね。
悔しいです。

★ボニピンさん
予防接種....しないよりはしたほうがいいかもしれませんが
これも個人差があるので何とも言えないようです。
大事なのは
正しい情報を正しく受けとり判断していくこと。
うーん。
実際、何が正しいかわからないから難しいんですけどね......。
by nako (2006-02-21 11:30) 

mamaru

以前、拝見した葉君の経過の記事を思い出しながら読みました。
あのときのを思い出すと、まさに急変って感じなのですよね・・・きっと・・・

先日、息子がインフルエンザになったとき、タミフルを服用して、えらく効果があって驚いたんですが、あれも、早い処置が必要なんですよね。
今年はA型ばっかりだねぇ、と、大学病院の先生がおっしゃってました。

お医者様たちも、日々進化する医療事情にタイムリーにおいついていかなければいけないから、大変ですよね。でも、人のいのちにかかわることだから、大変なのも当たり前なのだけれど。
by mamaru (2006-02-21 13:30) 

yulala

勉強になります。
うがい・手洗いの習慣がいかに大切かということですね。。
これからも続けなくっちゃです。
by yulala (2006-02-21 14:52) 

nako

★mamaru さん
まさに急変する病気です。
何もできなかった自分が悔しいです。

★yulalaさん
そうですね。
日頃からの習慣ってとても大事。
単純なことなのに
これがまた大変なんですよね。
でも続けなくっちゃ。
by nako (2006-02-21 21:56) 

ラムねーさん

私は数年前に久しぶりにインフルエンザにやられ、大変な思いをしました。
体力のあるオトナでさえ、あれほどのダメージを受けるのです。
小さなお子さんやお年よりはいかばかりかと思いました。

ようやく寒さが少し緩んで、春の訪れが近いと感じるようになりました。
インフルエンザも終盤ですね。
by ラムねーさん (2006-02-21 23:06) 

柴犬陸

原因がわからない、でも罹ってしまうと死に至る確率の高い病気。。
今日まで自分が無事に生きてきたことが、奇跡的だったような気さえします。
レポート有難うございました。
by 柴犬陸 (2006-02-22 11:27) 

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