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お別れ会 [葉が闘った日々]

2004年10月4日

この日も朝から冷たい雨でした。
朝早くに斎場まで葉を移動する車が到着します。
dadaと私も現地へ急ぎます。

現場ではお花屋さんがてんてこ舞いでした。
予想以上に葬儀花の申し込みをいただいたようです。
しかもギリギリになって駆け込みの電話が多く入っているらしく
芳名板が1台では足りなくなりました。
お花屋さんは半ば怒りながら作業していたように感じました。

この芳名板の順番も大変です。
葉を直接知っている方を優先したいと思いました。
なのでdadaより私の仕事関係者を先に並べてもらいました。
指示をしながら
そんな社会常識を気にしている自分がなんだか不思議でした。
いのちの存在の大きさや重大さに比べれば
こんなこと何の意味もないのに..........。

葬儀中に流す音楽の用意。
これは10月2日に結婚した友人が
4年前、私たち夫婦の結婚祝いにプレゼントしてくれた
モーツァルトのCDを選びました。

Mozart: Ave verum corpus; Exsultate jubilate; Great Mass in C minor

Mozart: Ave verum corpus; Exsultate jubilate; Great Mass in C minor

  • アーティスト: Cornelius Hauptmann, Wolfgang Amadeus Mozart, Leonard Bernstein, Frederica Von Stade, Bayerischen Rundfunkorchester und chor, Friedemann Winklhofer, Arleen Augér, Frank Lopardo
  • 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
  • 発売日: 1992/05/12
  • メディア: CD

dadaは仕事仲間に譜面を渡して
セッティング、音源ck、リハーサルをしています。

私の方は控え室で葉の生前のDVD映像を見られるよう
仲間にセットしてもらいます。
彼は時間ギリギリまで編集作業をして駆けつけてくれました。
デッキまで持参で......。

さて、自分たちが考えた式次第を千葉さんに説明し最終打合せをが始まりました。

会場の写真を撮りました。
息子の葬儀に母親が写真を撮っている姿は珍しいかもしれません。
でも誰にも任せたくはなかった。
葉の写真の殆どは私が撮っています。
最後まで撮っていたかった。

妹にアドバイスされて
葉と私の左薬指の爪にダークパープルのマニキュアを塗りました。
いつまでも離れないように。

葬儀が始まりました。
1.開会の辞
2.dadaの挨拶
3.dadaの演奏
 入院中ICUの中で作った曲を友人でアメリカ人のサックスプレーヤーとduoで演奏しました。
4.ママの言葉
 葉がどんな子だったかを母親の視点でお話しさせてもらいました。
5.弔電披露
6.献花 
 列席者全員と言葉を交わすことができました。
7.dada謝辞
8.閉会の辞
9.最後の対面
 花や愛用の品を入れ列席者全員と最後の対面をしました。
 小さいのですぐお花で棺はいっぱいになりました。
 愛用の品としては3人で写した写真とテディを入れてあげました。
10.出棺

会場は急遽、日にちをずらしたため狭いお部屋でした。
しかし予想を遙かに超える列席者でいっぱいでした。
予備に用意した控え室もいっぱいで
外の雨の中をずっと立っていた方もいらしたようです。
出棺の時も皆さんが傘もささずに見送って下さる姿を目にしたときは
本当に本当に頭が下がりました。

火葬時に
「小さい子どもの場合は火力が強いので時間も早く骨が残らない場合がある」
というひと言を受けました。
時間は確かに早く終わりました。
でも骨は思ったよりしっかり残っていました。
やっぱり丈夫な子だったのだと思いました。

妹に後で聞いたのですが
このとき千葉さんが涙を流されていたそうです。
葬儀担当者の方が涙を流すなんて.......?
実は彼の息子さんも数年前に脳症にかかり
命は助かったものの障害をもつことになってしまったのだと
数日後に聞かされました。

小さな白いお部屋に入った葉と一緒に自宅に戻ります。
しばらくして葬儀に間に合わなかったdada方の義姉が
やっとサンディエゴから到着しました。
そのほかにも葬儀に出席できなかった友人が次々と訪れてくれます。
この日も夜遅くまで来客が途絶えませんでした。

最後にあんなに無宗教式の葬儀に反対していた父から改めて言われました。
「今まで出席した葬儀の中で一番いい式だった」って。
よかったね。ヨウヨ。


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コメント 8

すいすえみ〜

たくさんの人に見送られて、ヨウヨもきっと嬉しかったと思います。
マニキュアを塗った、ヨウヨの小さな手。
胸が苦しくて、悲しかったけど、強い絆を感じました。
金木犀のお話、聞かせてくださいね。
by すいすえみ〜 (2005-10-04 09:18) 

yulala

ヨウヨくんとのお別れ会・・・悲しいですが、文章を読んでいるだけで
どんなにすばらしい式だったかがわかりました。
ヨウヨくんの小さな白い手・・・。
亡くなっているようにはどうしても見えません。
お骨も残っていてよかったですね。
ずっとずっと一緒にいられるのですから。。
by yulala (2005-10-04 10:36) 

空に飛んでいったんだね。
by (2005-10-04 13:48) 

azuki

葉クン、お空にいっちゃいましたね。でも、ほんと、葉クンのおてて、キレイでした。
by azuki (2005-10-04 15:09) 

素晴らしい、心のこもったお式だったと思います。
ママとヨウヨ君は、いつも一緒です。
by (2005-10-04 20:00) 

nako

★すいすえみ〜さん
金木犀の話、upしました。
読んで見てください。

★yulalaさん
ずっと一緒です.....。

★tanaka-ma3さん
種を運ぶ葉っぱと同じですね。
葉は何を運んでいったんでしょうねぇ。

★azukiさん
ありがとうございます。
こうしてみるとまだやっぱり小さいですね。

★qoooさん
周りの皆さんに助けられてできた葬儀でした。
心だけは精一杯ギュウギュウに込めました。
by nako (2005-10-05 01:01) 

U3

 こういう時に一番心にしみるのは身内からの温かい言葉や感謝の言葉だよね!
by U3 (2005-10-08 19:20) 

nako

★ブラウンパパさん
特に反発し合うことの多い身内からの温かい言葉は
1番心にしみます。
本文の方には書き忘れたんですけど
想う会が終わった後
葉が眠っているお部屋で
お別れ会でお話しする原稿をほぼ徹夜で考えました。
その間dadaは同じ部屋で譜面をおこしていました。
朝方1.2時間だけ休む時間があったのですが
その時間だけ父に呼ばれて
家族4人(下の妹だけ来れませんでした)並んで寝ました。
3人の布団の中に潜り込ませてくれたのです。
変な話ですが初めて家族を感じた瞬間でした。
一瞬小さな子どもに戻ったような不思議な時間でした。
by nako (2005-10-08 23:58) 

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