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ICU3日目 [葉が闘った日々]

2004年9月29日
ICU3日目

「シュー」「トン」「シュー」「トン」
血液中のガスが溜まってきているため
酸素の量を39から30に下げました。

夜中体温が高くなり頭を冷やしたため
足も冷たくなっていたので今度は電気毛布で温めていました。
さすってマッサージをします。

医師からの説明がありました。

1.カリウム
 血液中にはカリウムという肝不全に伴って上昇する電解質がある。
 それが徐々に上昇していている。
 このまま上昇をし続けると心臓が停止する危険性もある。
 これを避けるには血液透析あるいは腹膜透析という方法がある。が。
 血液透析は葉の心臓の動きが弱まっているので命の危険性が高い。
 腹膜透析は葉の腸管の壊死が激しいためかなり危険が伴う。
 したがって現在使用している利尿剤で様子を見るしかない。

2.炎症
 腸壊死に伴い腸から感染が波及しているものと思われる。
 現在抗生剤を使用して炎症を食い止めているが徐々に広がっている、

3.腸からのたんぱく漏出に関して
 腸の壊死に伴い血液中のタンパクが失われ
 補充してもなかなか改善の兆しが認められない。
 そのため全身がむくみ、心臓や肺に水が溜まってきている。
 腸のダメージはひどく機能は全く無くなっている。

4.心臓
 水が溜まっているが抜ける程の量ではない。
 心筋の動きが悪く心筋炎の可能性が考えれられる。
 ウイルスが原因であると考えた場合、
 脳にダメージを与えたウイルスと同一のものである可能性はあり得る。

5.脳神経に関して
 現在のところ改善の兆しは認められない。
 小児には脳死判定の基準は確立していないので
 脳死と断定することは出来ない。
 ただ大人の基準を用いれば限りなく脳死に近い状態である。

13時
体内からカルシウムが減少してきたためカルシウム投与。

尿はがんばって出ていました。
前日のママとのお約束ちゃんと守っているね。

足の指は朝方よりも堅くなっていません。
少し発汗して湿っぽい。

dada(夫)との喧嘩が多くなりました。
葉が処方されたものではない姪の薬を飲ませたこと。
ICUにベースギターなんかを持ち込んだこと。

13時25分
お顔を拭いてもらいお口をイソジンで消毒。
目には乾燥しないようにチューブの目薬を塗ってもらいます。

15時
控え室でじいやんと上の妹と雑談しました。
意味のないことを沢山話したかもしれません。
でもみんな気持ちを汲んでくれていたと思います。

15時50分
主治医の板澤先生からレントゲンの結果の説明を受けました。
葉の心臓が大きく写っていました。
肺に細かく水が溜まっているのがわかります。
お腹が大きくふくらみ、多くの水が溜まってきています。
心臓の動きも悪化。

板澤先生は若い女医さんでした。
その後しばらく私の仕事の話や
葉の元気な頃の写真を見せて雑談をさせてもらいました。
意識のない寝てばっかりの葉しか知らない先生たち。
元気な姿を見て知って欲しかったのです。
彼らにあきらめて欲しくなかったのです。

インフルエンザ、ロタウイルスも陰性。
他のウイルスに関しては日本衛生研究所に提出。
結果診断には1ヶ月ほどかかるということでした。

板澤先生から私たち両親の健康状態など詳細についての質問がありました。
葉が直前に飲んだ風邪薬は
メイアクト、ホクナリン、ムコダイン、
アスベリン、テルギンG
前日葉と同じ咳をしていた姪にこの薬を処方したのは稲場先生でした。
あの葉と共に救急車に飛び乗ってくださった先生です。
彼はもともとここの大学病院の教授で
最初に運ばれた病院の担当医上勢先生や
ここの小児科の医師たちの元上司だったと知らされました。
dadaと喧嘩になっていた薬の件ですが
全く問題ない種類と量であったと言われました。
ベースの件も心配ないと言われました。

22時30分
カリウムの数値が5.3に上昇。
危険な数値は6.0以上なのだそうです。


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コメント 9

U3

 その場に居るかのように、ひしひしとその時の情景を私は鮮明に頭の中に思い描く事が出来ます。重苦しい雰囲気、紛れもない現実、分っているのにすべて理解しているのに何故かすべてに麻痺してしまっている精神状態。そして淡々とそして確実に時間が過ぎていく。・・・・・・・・・・・・
by U3 (2005-09-29 02:02) 

azuki

おはようございます。今日もまた葉クンに会いに来ました!
by azuki (2005-09-29 09:42) 

同じ血液型だったんだ。
by (2005-09-29 12:12) 

yulala

いち医療従事者として、今日の分は読ませていただきました。
学生時代に習って、知識としてはある程度あるのですが、
教科書に書いてあることが実際目の前で起こると
動揺して取り乱してしまいます。。
1年前のメモを取り出して読み返してここに記していく・・・
お辛いでしょうが、ヨウヨくんのがんばりをもうしばらく綴ってあげてください。
読ませていただきます。
by yulala (2005-09-29 16:22) 

何を書いても、文章力のない自分の言葉はうすっぺらに思えて仕方ありません。
でも、一人でも多くの方にヨウヨ君の事、そして 頑張っているleafさん、dadaさんの事を知ってもらいたい。。。そんな気持ちでこれからも、nice を押させて下さい。
by (2005-09-29 21:02) 

mamaru

メモの詳細さが、当時のleafさんの気持ちを表しているような気がしてます。
明日はヨウヨ君の目が覚めるんじゃないか、この出来事が1年前の話だと分かっていても、こころのどこかでそう願わないではいられない自分がいます。
私も、何をここに書いても、何もできないという現実には変わりないので、無力感に襲われるのですが、でも、何もしないでもいられない・・・といった心境です。
by mamaru (2005-09-29 22:44) 

MINX

なんて書いたらいいのかわからないのです。でもまたみにきます。
by MINX (2005-09-29 22:57) 

nako

★ブラウンパパさん
書いているうちに
自分でも1年前のICUに戻ったような錯覚に陥ります。

★azukiさん
今日もありがとうございます!

★tanaka-ma3さん
まーさんRH+Aですか。
葉が生まれて我が家では爆笑!血液型大事件が起こりました。
そのお話はまたのちほどゆっくりと。

★yulalaさん
メモはとっていたのである程度正確だとは思うのですが
書いているうちに本物のカルテが欲しくなりました。
遺品として。
昨日申請書を提出してきました。

★qoooさん
nice! 今日もありがとうございます。

★mamaruさん
実は mamaruさんとおんなじ心境なんです。
書きながらまだ葉が助かる可能性を持ってるような気持ちになるんです。
何なんでしょうね。自分でも不思議な感じです。

★norikoさん
nice! &コメントありがとうございます。
by nako (2005-09-30 00:46) 

私は、みんなが一体になって頑張った、と思いました。
途中で、旦那様とケンカ・・・と書いてあり心配しましたが、きちんと
説明されて納得できたようでよかったです。
by (2005-09-30 13:24) 

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